ペニーオークションの真実
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世の中のお金に関することで美味しい話などそう簡単にはありませんが、「ペニーオークション」もその一つです。
ペニーオークションとは通常のオークションと違って、1回の入札ごとに手数料を支払うシステムです。
誰かが入札するたびに商品の価格が上昇し、それに加えてオークションの残り時間も延長されるという仕組みで、残り時間がなくなった時点で最後に入札していたユーザーが落札者となります。
0円から始まるので通常のオークションよりも破格の値段で商品を手にするチャンスがある反面、入札毎に手数料がかかるので熱くなって入札を繰り返すととかえって損をしてしまいます。
通常のオークションとは違い、数万円もする商品を数百円で落札できるのですが、あるカラクリが存在します。
それは、高額は入札手数料です。高額な商品を数百円で落札できる代わりに、入札の際に高額な手数料を払うという仕組みです。
落札できても落札できなくてもこの手数料を入札する際に支払わなければいけません。
ペニーオークションの仕組み
例えば、オークションで2万円の商品を入札する際には、一回1円単位で入札します。しかし、その入札する際には一回につき1000円の手数料を支払う必要があります。
最低落札価格100円であれば一見、入札金額100円だと少額に見えますが、1円単位の入札で1000円の手数料を支払わなければならないとすると、100円まで入札価格が上がるためには1000円×100回になり、10万円の手数料がの運営側に入ります。
もし、100回の入札が行われたのであれば運営側は2万円の商品を出品しているわけですから、手数料だけで10万円もの利益になります。
サクラ(入札を意図的にコントロール)する人がいないことが前提ですが、一概にこの方法が悪いというわけではありません。
仮に2万円の商品を5回の入札で落札することができれば、確かに、通常の価格で購入するよりは安く購入することができます。
しかし、ペニーオークションで問題が発覚しました。それは、過度な宣伝です。芸能人に広告費を支払い、ブログなどで安く購入することができたということを宣伝させるようにしたのです。
その過度な宣伝がニュースで公になり、そのときに宣伝していた有名人は世間からバッシングを受ける羽目になってしまったのです。
本当に安く購入することができるのであれば、わざわざそのように芸能人に「安く購入できた」などと宣伝させる必要はありません。
このオークションは参加者がいればいるほど運営側に多額の手数料が入り儲かります。中にはなかなか落札することができずに高額の手数料だけを支払って損をした人もいます。
メリットの部分だけにとらわれてはいけない
このペニーオークションに参加する際には同意をしなければなりません。ペニーオークションに参加し、高額の手数料だけを支払った人もそのことを承知してオークションに参加しているのです。
同意したということは落札できずに手数料だけを支払ったとしても仕方がありません。
他のオークションよりも安く購入できると言うことだけを気にしてしまい、そのオークションの重要な部分を気にしなかったことが最大の原因なのです。
通常ならば、少し冷静になればそのようなことは誰でもわかることです。しかし、目先の利益にとらわれてしまいますと、そのような本質に気づくことができません。
ペニーオークションは大手業者の参入事例はごく僅かしかありませんでしたが、当初通常のオークション事業を展開する他の大手業者らも参入を打診していたようです。
ところが、打診の過程でペニーオークションが詐欺行為に繋がりやすいシステムであることが問題視され、「一部の悪徳業者がオークション詐欺を行い、詐欺行為が発覚するとペニーオークションに参入している全ての業者が詐欺扱いされる恐れ、そのリスクを負うことができるか?」ということを指摘されました。
検討した結果「(詐欺呼ばわりされる)リスクに見合うだけの価値を見出せない」と判断し、参入を断念する大手業者が続出し、結果的に参入を断念した大手業者が恐れていたことが現実のものとなってしまった訳です。
現在ペニーオークションサイトは完全に消滅したことが確認されていますが、少し冷静になって考えていただければ、すぐに「あり得ない」と言う事実がわかることかと思います。
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